茶庭工事 黒穂竹垣の材料仕入れ
こんにちは。
幹制作所 代表の井村幹仁です。
今回のお話は、10月から始まる庭づくりについて。
その庭づくりとは屋上庭園に茶庭を作ります。とても壮大な庭づくりプロジェクトになっております。
茶庭で使う一部の材料を仕入れてきたので、どんなものを使うのかご紹介をしたいと思います。
今回仕入れてきたのは「黒穂垣」に使用する黒穂です。黒穂とは黒竹の穂を大量に使うもの。分かり易く言えば竹箒の穂ですね。
この材料がなかなかの手間のいるものになっているそうで。
一つ一つの穂を手で葉っぱを取り除き、火であぶりだすそうです。この量を手作業で・・・(-_-;)
そりゃあ、それ相応の値段はしますわな。。。
茶庭というのはこだわりの塊と言いますか、自然素材で手作業の塊と言いますか。
機械では出せない味です。
これが侘び寂びというものになるんですね。
石材も新しいものよりも古から使われてきたものが好まれます。いわゆる古材というものです。
この穂垣同様、一つ一つの素材に存在感があるのです。
しかしここがミソでして。。
すべてが味のある素材。つまり・・・
下手すると素材が主張し過ぎてお互いの良さを消しあってしまう可能性がある。
ここが難しいのです。
すべてが自然素材で味を持ちつつも強弱をつけないと、うるさい茶庭になってしまいます。
主となる所には色の濃い石材を使い、副のところは色の薄い(抜けと呼びます)ものを使う。丸い石を使ったり、長細い石を使ったり。竹垣があれば、竹を使わない杉皮の塀があったり。大きい飛石があれば小さな飛石もリズムよく使う。
この様にリズムを変えたり、歩幅を変えたり、目線を誘導したりといくつも仕掛けを作り茶庭に緊張感を与え、ひっそりとした素朴な庭づくりを目指すのです。
実は良い素材使っています!的な。(笑)
茶庭は日本独自で生まれた庭づくりです。現代の建築とはかけ離れてしまいましたが、決して失われることのない文化です。
昔を守る古典的なものも重要ですが、幹制作所では現代に合わせたものも、現代ならではのものも取り入れても良いと思っています。それは常に頭を柔軟にしていることが大切だと思います。数寄者であるお施主様によるところは大きいですが、そこに我々作庭者が施主様に提案できる柔軟性が必要だと感じます。
正解はありません。自分が良いと思うことが正解に近づくと思います。
古典を学び、そこから思い込みにとらわれることなくチャレンジすることも、また学びです。
他分野も含めて学び続け、皆様の笑顔につながる庭づくりを!!
ではこの辺で。
また次回♪
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