屋上庭園の露地づくり 茶庭 雨落ち編
こんにちは。
幹制作所 代表の井村幹仁です。
今日お話するのは現在、屋上庭園の露地づくりで制作している茶庭づくりです。その茶庭づくりの中の雨落ちをご紹介したいと思います。
雨落ちとは読んで字のごとく「雨が落ちる」こと
つまり屋根から落ちてくる雨粒を受ける場所のことです。
普通一般住宅の場合、屋根の軒先には必ず雨水を受ける樋がついていますよね。しかしこの茶庭の場合樋が付随していないことが多々あります。樋がついていないと屋根から滴る雨粒はそのまま地面に落ち、泥水として跳ね上がり、建築物へ飛び散ります。しかも茶庭の場合、建築は茶室になるわけですから木造・土壁等、繊細で割れやすく、木材は腐ります。
それを防ぐために雨粒を飛び散らないように設置されたものが「雨落ち」なんですね。
じゃあ樋を付ければよいじゃん!ってなりますよね??
何故、樋がついていないんでしょう。
これには3つの理由があります。
一つ。茶室という完成された美しい建築に余計な構造物は付けたくないから。これは日本人特有の「美」に対しての問題意識ですね!すばらしい!!
二つ。これも「美」に対してになります。それは建築である茶室とそれをつなぐ茶庭を結ぶためです。なんのこっちゃ?となりますよね。
樋をあえて付けないことにより、美を要求します。
要は雨落ちとは「美と用」を兼ね添えろえた装置なのです。
茶室と茶庭は一心同体。茶事である茶会は必ず茶庭を経由して茶室に入ります。よって違和感なく茶室と茶庭を繋げなければならない。その一歩目が先日ご紹介た三和土(タタキ)であり、この雨落ちなんですね。
三つ目。これは機能100%です。大雨が降ったときに茶室の床下に水が入り込まないように排水機能として設置されます。
この様に茶庭とはただ作るのではなく「美」が求められるのです。それが千利休であったり古田織部によって「用と美」の比率が変わってきます。面白いですね(^^♪
今回雨落ちに使用した瓦は新潟県の安田瓦。ゴロタ石は筑波ゴロタです。
参考までに。
以上 屋上庭園の露地づくり 茶庭 雨落ち編 でした。
ではまた次回♪
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